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私の音楽日記

つぶやき日記

悲しみの歌

 

遠藤周作の言葉

 

www.shinchosha.co.jp

 

悲しみの歌 - Wikipedia

 

遠藤周作の小説に『悲しみの歌』という作品がある。

随分昔、初版頃に読んだ記憶がある。

『海と毒薬』の続編として書かれたものかもしれない。

 

戦時中の生体解剖実験に加わった勝呂(すぐろ)という名の

医師は戦犯となりひっそりと町医者として生きていた。

その後の人生がどどうなったかを若い新聞記者がマスコミの

正義をふりかざして、人の人生を追い詰めていく。

 

遠藤周作がこの作品で最も伝えたかったことは

絶対的な正義など、この社会にないということである。

正しいことが見えなくなりそうな瞬間は誰しもが経験する。

ブレーキが効かなくなり限界を超えてしまって

過ちを経験することだってあるかもしれない。

 

マスコミ記者が正義よりも個人の利潤を追求するあまりに
一線を超えた取材活動をしていたら、それも正義ではなく犯罪になる。

なぜ、そこは何のお咎めも受けないで済むのだろうか

 

それでもマスコミの立場を利用した記者が、過去の過ちを償い

世の中のために人を助けたい一心で生きる人の人生に土足で立ち入り

生きにくくするように追い詰める権利がどこにあるだろうか

それは社会正義などではなく、完全にエゴでしかない。

 

そういうことを考えさせられる小説で、

マスコミの記者にはこの小説を読んでもらいたい。

そして、社会正義とは罪を償い生きようと努力する人から

人生を奪うことなのか、いつまでも追い詰めて責め続ける

必要があることなのかを考えて欲しい。